08年2月19日
去年の10月から今年1月にかけて、
世界34か国、3万4528人から回答を得た読売新聞社、
イギリスBBC放送との共同世論調査で、興味深い結果が発表されました。
経済的格差について、
「国民の間に豊かさが十分に公平に行き渡っていると思うか」
と聞いたところ、日本では「全く公平ではない」が33%、
「あまり公平ではない」を合わせると83%が不満を感じていました。
34か国の不満を感じる人の割合は、平均が64%でしたから、
日本の83%は、大きく上回っています。
サミット参加8か国(日、米、英、仏、独、伊、加、露)で見ると、
イタリアの84%に次ぐ高い数値、調査を行った34か国では、
韓国の86%、イタリアとポルトガルの84%に日本が続いたことになり、
主要国ではフランス78%、イギリス56%、アメリカは52%という
結果になりました。
一方、総務省統計局が発表した等価可処分所得の
ジニ係数の国際比較(平成16年全国消費実態調査)によると、
所得の不平等度の順位は、高い順にアメリカ、イギリス、イタリア、
オーストラリア、カナダ、日本、フランス、ベルギー、ドイツ、スウェーデン
となっています。
つまり実際の所得の不平等と経済的な格差に不満を感じるかは、
一致しないと言うことです。
特にアメリカやイギリスは不平等度が高いにも関わらず、
不満を感じる人の割合が少ない。
所得の高低だけが暮らしを満足に思うかに一致しないのです。
親からいかに多くの資産を受け継ぐかという資産の格差。
二世議員などに見られる機会の格差。
勝ち組、負け組という価値観の植え付けなど、
一致しない理由はいろいろあると思われます。
しかし、幸せの尺度が当たり前ですが、
お金だけで決まるのではないということ、「幸せとは何か」ということ、
「何を求め目指し暮らすのか」ということを、改めて見つめ直さなければ、
実に不幸な国であり、不幸な国民になってしまう。
そんな危機感を抱きました。