０７年６月１３日
実にオーソドックスな作り方だし、保守的な印象は否めませんが、
作り手が確信を持って作っていることが伝わってきて、
ある意味、清々しくもありました。
さだまさしの原作は読んでいませんが、
生涯に一度の恋を大切に守り抜き
生を全うしようとする母と、次第に理解していく娘、
最後は阿波踊りの喧騒の中で、皆の気持ちが一気に昇華されていく。
この構図は、演歌調ですらある内容と思うのですが、
そこまで泥臭くなくフォーク調にまとめ上げたという感じでしょうか。
おそらく原作が持っている味わいであり、
原作の味わいを生かし忠実に映画化したのではと思います。
監督ほかスタッフの皆さんの職人芸を見たという印象です。
久々に見る宮本信子の演技は健在で、溌剌としていました。
松嶋菜々子も自信を持って伸び伸びと演じていたように見えました。
俳優が演じやすい舞台をスタッフ全員の力で
作り上げたのだろうと思います。
実は、この映画を観るキッカケは、街中で耳にした声でした。
「眉山、見た？松嶋菜々子がやっぱり綺麗で、
宮本信子の演技も良かったわ。。」
まだ若いお嬢さんの声でした。
こうした保守的な作り、内容であっても、
しっかりした職人技を見せれば、若い人たちにも伝わるんだなぁと
感心した次第です。
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